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「 礎 」(いしずえ)

 当法人は、1975年、瀬嵩地域の山間部に福祉活動の基盤を求め、障害のある子どもや大人を対象にサポートが開始された。10 年の節目には、「慈愛の礎」という文字が刻まれた石碑が建立され、30 数年の時間を経て、法人の移転と共に為又地域へ移転された。
 
「慈愛の礎」の意味するものは、「人が人を支える」という問いへの答えを探る途上そのものでもある。支えられる主体と支える客体との平等、信頼関係に基づく適切な関係を築き、サポート関係における距離感は重要な視点となる。
 
 対象となる人との共感、あるがままの受容によってサポートの必要性、その原因の見立てに始まる。ありたい姿を目標に据え、主体的に問題解決へと向かうプロセスにこそサポートの意味が存在している。
 
 人は、自分の人生を生きているのであって、障害や高齢を生きているのではない。あくまでも個別の幸福の追求が目標であって、生きる手段として必要なサポートを選択できる環境を求めている。サポートの観点からいえば、常に、人を支えるための知識とスキルが問われている。
 
 当事者の意思で将来像を描き、歩める環境づくりは,シンプルかつ重要な使命といえる。言い換えると、行動の理由があって、自らの意思と責任で歩んだ結果、目標が見えてくるという考え方である。目指すべきは、当事者の潜在能力への気づき、主体的に課題解決が図れる支援環境である。大切にすべきは、「個別性の尊重」、「意思決定の保障」を基盤に、私たち自身への働きかけ、サポートのあり方を振返る謙虚な姿勢である。
 
 今、「慈愛の礎」に意味を記すとすれば、多様な変化があっても、サポートのあり方を謙虚に振り返る姿勢は、いつの時代も変えてはならないものであろう。
 


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